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NATIONAL INSTITUTE OF GENETICS
Mammalian Development Laboratory

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マウス生殖細胞の雌化因子を同定(卵巣内で精子分化開始)
2017-04-15
マウス生殖細胞の卵子の形成に必須な因子としてSMAD4とSTRA8を同定しました。これらの2つの因子を失うと生殖細胞は卵巣の中でもオス化し、精子の前駆体になることがわかりました。
ヒトを含め哺乳動物の性は性染色体の構成によって決まります。XX染色体を2本もつ個体は雌になり、卵巣の中には卵子ができます。一方、XY染色体をもつ個体は雄になり、精巣の中で精子が形成されます。精子や卵子の元となる始原生殖細胞は卵巣や精巣とは別の場所でつくられ、胎児期の間に移動して、精巣あるいは卵巣に入るかで、将来精子を作るか卵子を作るかの運命が決まります。すなわち、生殖細胞の性は周りの環境によって決まるのです.しかし、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。
 今回、2つの因子SMAD4とSTR8を卵巣の生殖細胞のみでノックアウトすると周りの環境はメスであるにも関わらず、生殖細胞は雄化してNANOS2をはじめとして他の雄性遺伝子を発現し、精子前駆細胞とよく似た性質を示すことがわかったのです。従って、これらの2つの因子は生殖細胞を雌化する因子であり、これらの因子がないと生殖細胞は雄化することがわかりました
野生型の胎児卵巣の体細胞から分泌されるRAとBMPシグナル(仮説)がそれぞれ生殖細胞のなかでSTRA8とSMAD4を介して、雌化を誘導する。SMAD4単独のノックアウトでは性転換は起こらない。しかしこの2つの遺伝子がKOされると、減数分裂、卵子形成は完全にブロックされて、雄化がおこる。
Smad4/Stra8ダブルノックアウト生殖細胞が卵巣の中で雄性因子PLZF(緑)を発現。赤は、卵巣体細胞特異的FOXL2の発現。



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