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NATIONAL INSTITUTE OF GENETICS
Mammalian Development Laboratory

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Nanos2のRNA制御に必須なパートナー分子Dead end1の同定
2016-04-05
生殖細胞の雄化に必須なRNA結合蛋白質Nanos2のパートナー分子としてRNA結合蛋白質Dead end1 (DND1)を同定しその機能解析を行った。この成果はEMBO reportに掲載された。論文のタイトルは
「Dead end1 is an essential partner of NANOS2 for selective binding of target RNAs in male germ cell development.」
Nanos2とDND1はP-bodyに共局在する
NanosはRNA結合蛋白質として知られていたが、NanosそのものはRNA結合能は低くかつ特異性もなかった。したがって特異的なRNAを認識するには他の因子が必要であることは想定されていた。Nanosの機能は進化的に保存されているため、マウスの場合もハエや線虫等と同様に有名はRNA結合蛋白質であるpumilioと相互作用して機能すると考えられていた。しかし、我々がマウスのNanos2を免疫沈降して解析したところ、PumilioではなくDND1がパートナーであることが明らかになった。この研究は実は総研大の学生であった鈴木敦(現横浜国大准教授)がすでに8年ぐらい前に発見し、その解析を積み重ねてきた。彼はNanos2とDND1は直接相互作用し、DND1を生殖細胞特異的にノックアウトするとNanos2のKOと酷似した表現系をしめすことを明らかにした。
さらに重要なことはDND1を欠損してもNanos2は発現しているが、そのNanos2はDND1なしには特異的なRNAを結合できないことを、生化学的に示したことである。このために彼は生殖細胞特異的にDND1を欠損した胎児精巣を大量に採集し、免疫沈降実験を行った。論文を書き始めてから最終的に採択されるまで、3年以上を要したが、Nanos2の作用機構を明らかにした重要な論文である。
Nanos2はDND1を介して標的RNAを認識・結合し、P-bodyにmRNAをリクルートする。我々は以前にNanos2がCNOT複合体と直接結合しRNAの分解に関与することを示しており、今回の結果を統合すると、生殖細胞におけるNanos2を介した標的RNA制御機構が明らかになった。



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