発   生   工   学   研   究   室

NATIONAL INSTITUTE OF GENETICS
Mammalian Development Laboratory

TOP   ACCESS   SITE MAP   ENGLISH

NEW RELEASE

最新成果一覧

精子幹細胞の未分化性を維持するNanos2の作用機構を解明
2015-08-11
成人男性が長期間にわたって精子形成を継続的に維持できる理由は、精子幹細胞が自己複製と精子形成をバランスよく調整しているからである。我々はRNA結合タンパク質Nanos2が精子幹細胞の維持に必須であることを明らかにしてきたが、その詳細な分子機構は不明であった。今回、Nanos2は主に2つのメカニズムで精子幹細胞の未分化性を維持することを明らかにした。この成果は2015年の7月にDevelopmental Cellに掲載された。論文タイトルは
「The RNA binding protein Nanos2 organizes a post-transcriptional buffering system to retain primitive states of mouse spermatogonial stem cells」
Nanos2はRNAの分解や翻訳抑制に関与している。特に今回P-bodyとよばれるmRNA-タンパク質複合体に標的となる分化促進因子、Sohlh2 のmRNAをリクルートして、その分解及び翻訳抑制を介して発現を抑制することを証明した。またNanos2は, 細胞増殖や分化を促進するmTORCシグナル系のコア因子mTORと結合し、その機能を抑制することで未分化性を維持することも明らかにした。これらの機能はNanos2の発現量に依存しており、Nanos2がmRNPの機能を制御する緩衝因子として機能していると結論づけた。

この研究は、約4年前に中国からやってきた非常に優秀なポスドクである周智(Zhouzhi)の研究成果である。



Copyright(C) Division of Mammalian Development National Institute of Genetics All Rights Reserved.